起業本の類はサラリーマン時代に何冊か読んだが、自己啓発本の類が多かったり、物語としては面白くても再現性が僅かだったり、ハウツー本だったり、机上の理論本だったりと何冊か読むうちに読まなくなってしまった。一度読んだらブックオフ行きになるような本ばかりの中で、例外だったのは水永 政志氏( @mizunagamasashi )の「入門 ベンチャーファイナンス―会社設立・公開・売却の実践知識」。この本は、起業家の現場とコーポレート・ファイナンスの理論を結ぶ良書。本棚にしっかりと収まっていて、何回か一部を読み返したりしている。
創業者自らが書いているような本は今でも時々読むが、それ以外の起業本は独立してからは読まなくなっていた。この「ケースで学ぶ 実戦 起業塾」という本を目にした時も「読まなくていいや」と判断していた。元コンサルタントや元ベンチャーキャピタリストの方が書いているので、おそらく私が保有しているスキルと被る情報が多いだろうと思われたからだ。
しかし、執筆者の一人がtwitterでちょくちょくやり取りさせて頂いている瀧本 哲史氏( @ttakimoto )で、ツイートからうかがい知れる知性・博識のファンになっていたため、買ってしまった。
起業本としては、水永氏の著作と同じように中身の濃い本であった。水永氏の著作よりも起業に関するテーマを一通りバランスよく取り上げており、ピックアップされるケースも多岐にわたり、よい意味で教科書的である。そしてピックアップされているケースが執筆陣が当事者として関わっていたものが多く、生きたケースが多い。日本での起業の教科書としては現時点ではピカイチかもしれない。(米国には大学・大学院の科目としての起業の教科書がいくつかあるが、取り上げられているケースが米国のものだったりピンと来ない。)特に技術畑の方で起業を志す方には非常に有益な教科書だ。
新規事業の立ち上げは自分でもコンサルティングでもやってきている身のプライドとしては、読んでみての新しい発見というのはそれほどなかったと言わせていただくが、起業の全体を俯瞰し直し、生きたケース情報を吸収するうえで有益であった。特にDeNAの創業時のチームビルディングの経緯は刺激的であった。本棚では、水永氏の「入門 ベンチャーファイナンス―会社設立・公開・売却の実践知識」の隣に置いておき、時々参照することになるだろう。
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[...] This post was mentioned on Twitter by 瀧本哲史, Jun Sato 佐藤 純. Jun Sato 佐藤 純 said: 読書メモ: 木谷哲夫(編著)「ケースで学ぶ 実戦 起業塾」 http://ow.ly/30nlC [...]
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