12月
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新卒で入社したボストン・コンサルティング・グループは頭のよい人揃いですが、「商売」ができる人は案外少ないです(半分、学者気質の方が多いのかも)。その中で最も商売センスがあるパートナーとして私が尊敬していたのが杉田さんでした。その杉田さんが著書を出されたと聞いて読まないわけにはいきません。
杉田さんは商売センス・コンサルティングセンスはすばらしいと思うのですが、反射神経タイプで仕事をされる方なので、一冊の本を書けるのだろうか?という疑念(失礼!)があったのですが、読んでみてびっくり、中身の濃い著書でした。
内容は、杉田さんが手がけたコンサルティングプロジェクトの中で汎用性が高いと思われる3社の営業改革プロジェクトを取り上げ、追体験するものとなっています。
- 再春館製薬所のプロジェクト
マーケティングと営業の中間のようなアウトバウンド・コールセンターの改革です。コンサルティングの強みの「分析」によって、想定外のメトリックスが生まれ、収益改善する様子が描かれています。 - ユニ・チャーム ペットケアのプロジェクト
多くのメーカーでも見られる押し込み販売をやめさせて、KPIを数字から行動へ変える様子が描かれています。個人的には一番ぐっときた章。 - 仲介会社A社のプロジェクト
営業改革をやろうとしても途中で頓挫するプロジェクトがほとんど。営業は人的組織であるため、改革は難しい。それを成功させるためのステップを示したプロジェクト。
ユニ・チャーム ペットケアの章で一番ぐっときたのが、下記部分。特に後者。
- 数字を詰める代わりに行ったのが、「行動を詰める」ことだった。営業担当者ごとに数字ではなく、商談の訪問先と訪問回数で週ごとに管理する仕組みに変えたのである。「三割バッターになれと言っても、誰もがそうなれるわけではありません。しかし、素振りを毎日100回しなさいと言えば、これはスキルや能力に関係なく、誰でも自分の意思でできるものです。」
- 数字のプレッシャーがなくなったものの、決められた訪問回数をこなすのはそれほど楽ではなかった。特に、売上の低いところは敷居が高く、訪問しにくい。(中略)必然的に、営業担当者たちは自己変革するしかなかった。自分が利用価値の高い営業担当者であると認めてもらうには、中途半端な対応ではとうていおぼつかない。どの営業担当者も、誰に言われるまでもなく、仕入担当者に「価値ある情報」を提供しようと、勉強に勤しんだり、同僚たちに相談するようになった。
商売センス・コンサルティングセンスがトップレベルの杉田さんの著書は、そのエッセンスを事例を通して一冊の本にうまくまとめあげるとともに、これまでのBCGが出している本の中で一番、この企業・この人に営業改革コンサルティングを頼みたい!と思わせる本でした。さすが商売上手!
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